新社会人になったみなさんへ
新元号も発表され、世の中が新しい気風で満ちるなか、やっぱり「洗礼」にも似た些細な抑圧や理不尽に傷つく人がいるのを見て、この記事を書きます。
毎日スーツいやだな。
オフィスカジュアルって何着たらいいの?
仕事メイクって難しい……
研修って言いつつ何も教えてくれない!
同期と仲良くなれる気がしない……
仕事の種類が多すぎて不安。
こんな声をTwitterで見かけます。
そして、それに対して「嫌だったらNOと言えばいい」「やりたくないことはやらなくていい」「逃げることも選択肢」と言う、既に社会人の人たちもいます。
そうだね。NOって言っていいし、やりたくない理不尽なことはやらなくていいし、逃げてもいい。ぼくもそう思います。
でもね。
「ネットの社会人が言ってたから!」
それだけを免罪符にしないでほしいな、とも思います。
誰かが言っていたことに従って発した「NO」は、本当に君の「NO」でしょうか?
つらいことは「つらい」って言っていい、嫌なことは「嫌だ」って言っていい、逃げたい時は逃げていい。
でもそれは、君以外の「誰か」が言っていたことを理由にして行うことじゃない。
思考停止の先で待っているのはきっと、後悔と「やっぱ社会人の言うことは当てにならない」という恨みです。逃げていいよ、とSNSで発信した人たちは、心から若者を心配してそう言ったはずなのに。
誰のことも恨まないための方法は、自分で考え、判断し、行動することだと思います。
「嫌だ」「つらい」を本能で汲み取って即実行するのはめちゃくちゃハイリスク。選択には責任が伴うし、それによってまた傷つくのは、最初に傷ついたときよりもきつい。
嫌なものは嫌、とてもわかる。
でもなんで嫌って思うんだろう? その理由を考えてみた結果相手のクソさが際立つときもあれば、見直すこともあるし、自分の価値観がわかることもあるよ。
つらいことある。めちゃある。なんでこいつこんな理不尽なの?って怒りが止まらないこと、ある。
そういうときは自分の論理を立ててみる、理不尽さの原因とか。自分で正せそうなら戦ってみてもいいね。でも不利な戦場なら撤退も戦略だと思う。
逃げていいよ。
でも逃げる前に、逃げる経路とか理由を考えないと逃げた先が断崖絶壁だったらヤバイ。逃亡先は決めないと生きてけない。
どうか、考えられる人になってください。
誰かの考えだけに踊らされず、その意味をきちんと考えられる人になってください。
傷つくこともたくさんある、つらくて泣く夜もきっとある。だけど心に思考の牙を持てば、研いで、相手に噛み付く戦略と瞬間を作り出すこともできる。
考えることは最大の武器です。
それでも、そこが君の武器で太刀打ちできない場所なら、そのときは全力ダッシュで逃げてしまおう。
君が逃げ込める場所を作れるようにぼくもがんばります。そんな社会を作るのがぼくらの役目でもあるのだから。
社会人になった君が、自分の幸せを自分で考えて掴めますように。